自宅で使えるさまざまなデンタルケアグッズが登場しています。その内のひとつが、ホワイトニング用のスポンジで、歯をこするだけで手軽に黄ばみを解消できるとして人気です。ブラッシングでは落とし切れないステイン汚れへの対策ができるのは、歯を白くしたい人からすれば魅力的に映るものです。
ただ、注意点も知った上で用いないと、思わぬトラブルに見舞われるかもしれません。
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歯の黄ばみが気になる人は多い?
あるアンケートによると、およそ7割の人は自分の歯の色に自信がないという回答をしています。そして8割の人は、他人の歯の色が気になるという意識を持っています。このことから、歯の色というのは人が気にしがちなポイントであり、それだけ目を引きやすい部分でもあるのでしょう。
歯が黄ばんでいると、白い歯に比べて見劣りしてしまう部分はあるものですし、どこか不衛生に感じてしまうという人も少なくありません。逆に言えば、歯が白くなることで良い印象を獲得しやすくなり、ホワイトニングに興味がある人が多いのも頷けるものです。
ホワイトニングができるスポンジって?
歯を白くしたい人は、ホワイトニング効果のあるスポンジに注目してみるのも良いかもしれません。極細毛状のスポンジという特徴を持ち、素材にメラミンフォームが用いられている物が多いです。いわゆるメラミンスポンジは、掃除用としてもお馴染みの存在であり、ホワイトニングに繋がる仕組みも何となく想像できるのではないでしょうか。
ミクロンの素材が、歯ブラシや歯磨き粉では届かない細かい部分にまでアプローチすることでその結果、ステインを取り除き、歯を白くするというのがこうしたグッズの特徴です。
リーズナブルでお財布に優しい
審美歯科ではホワイトニング治療を受けられますが、費用は決して安くありませんのでなかなか気軽に利用できないものですよね。黄ばみは病気ではないため、健康保険を使うことはできませんし、それゆえに全額自己負担が原則です。
例えば歯科で施術を受けるオフィスホワイトニングの場合ですと、1回あたり1~5万円ほどの費用が掛かり、それを何度か行う必要がありますので、総額にするとかなりの負担が生じ得ます。その点、ホワイトニング用のスポンジは数百円程度で購入可能であり、100円ショップでも売られていることがあります。
専門の施術と比較をすると、断然ローコストで入手でき、もし効果がなかった場合でも諦めがつきやすいのではないでしょうか。歯の色が気になるものの、歯医者には行きづらいという場合は、まずこうしたグッズからトライしてみるのも選択肢のひとつです。
使い方はとてもカンタン
使用方法はいたって簡単であり、特に難しいことはありません。水でスポンジ部分を濡らしたら、後は気になる部分をこするだけです。いつものブラッシングに加えて気軽に使用することができますし、痛みや不快な味もありませんので、使用感を苦手に感じる人もあまりいないでしょう。
たったこれだけで、コーヒーやワイン、タバコなどによるステイン汚れを取り除くことに期待ができ、気になっていた黄ばみをスッキリ解消できるかもしれません。
使用者の感想は?
口コミでの評判が気になるところですが、中には黄ばみがキレイになったと感じる人もいるようです。歯磨きでは落ちない汚れが落ちた、歯が白くなったなど、好意的な感想も散見されます。その一方では、あまり変化を感じられなかったという口コミも見受けられます。
黄ばみの原因や程度は人によって違いますので、すべての人に効果が発揮されるわけでもないのでしょう。
歯医者は推奨していない?
スポンジでこするだけで、なおかつ自宅でお手軽に黄ばみ対策を行えるのならば、一度は試してみたくなるという人もいることでしょう。しかしながら、歯の専門家である歯医者からは、非推奨の手段である点に注意が必要です。
こうしたグッズは良い点ばかりではなく、使用にリスクが伴う側面もあるため、特徴を理解の上で使用の可否を判断しなければいけません。どのような理由で推奨されていないのか、以下に紹介していきます。
エナメル質を傷めてしまう
素材に用いられているメラミンフォームは、研磨によって汚れを落とすという仕組みを持つものであり、歯の表面を削りすぎてしまうのは良いことではありません。歯はエナメル質で覆われていますが、それを削ることで保護能力が損なわれてしまいます。
エナメル質が薄くなるとその下にある象牙層にまで影響が及び、知覚過敏や虫歯リスクを高めてしまうことになるのです。さらには、象牙層が透けることで、黄ばんでいるように見えてしまい、却って歯の色が気になることにもなりかねません。
なお、商品によっては研磨剤が入っていないことをセールスポイントにしている物もありますが、メラミンフォーム自体が研磨の働きをする点に注意が必要と言えるでしょう。
細かい傷を付ける恐れがある
スポンジによって汚れが落ちるのと同時に、歯の表面に細かい傷を付けてしまうのも、歯医者が使用を推奨していない理由のひとつです。目には見えないレベルでダメージが生じるため気が付きにくいですが、研磨をする以上、傷が生じるのを回避することはできません。
そして傷ができればそこに着色汚れが付きやすくなりますし、歯をキレイにするどころか、汚れやすい状態にしているリスクも伴うというわけです。
歯科ホワイトニングも検討
安全かつ効果的にホワイトニングをしたい場合は、やはり審美歯科を利用するのが無難と言えそうです。歯科ホワイトニングは歯を削ることなく、薬剤を浸透させて白くする方法ですので、スポンジとは根本的に作用が異なります。
任意のレベルで白さを与えることが可能なため、汚れを削り取るだけでは出せない色合いも実現できます。また、スポンジの場合は細かい部分まで白くすることはできませんが、歯科ホワイトニングは隅々まで薬剤を行き渡らせ、歯と歯の隙間やスポンジが届かない奥歯などもケアすることが可能です。
歯をまるごとキレイにでき、セルフケアでは得られない口元の美しさを手に入れることができるでしょう。
本格的なホワイトニングは難しい
歯のホワイトニング用のスポンジは、ごく軽い黄ばみへの対処法としては使用を検討してみるのも良いかもしれません。金額も安い物が多く、お試し気分で使うことができます。しかしながら、使用にリスクが伴う点には要注意ですし、研磨で汚れを落とすという特性上、劇的に歯を白くできるグッズなわけでもありません。
安全かつ本格的に白くしたい場合は、専門の施術を検討するのが無難と言えそうですね。